手紙
このあいだ、大坊さんからお手紙をいただいて、薦められた展示に行ってきた。私のずっと気にかかっている彫刻家である。まとめて見るのは今回がはじめてだった。
遠出することがそもそも苦手ではあったが、重たい腰を持ち上げて平塚に行った。
柳原義達である。
たとえば、仏像は魂が入ってそれは仏である、という。柳原のこしらえる人物像は、まさしく人間がそこにいる。魂が入っているかどうかはさておいて、人間である私がひとしく人間と邂逅する。いったいそこに何が入っているのだというのだろう。
向こうから、私を見つけ、あなたはここにいる、わたしがあなたを見ている、そのような。
人間といっしょだった。
はじめまして、と声をかける、いい人に出会ったな、もうちょっとでいいからいっしょにいたいな、云々。対峙すればするほど、ひとと関係をもつ、ということを魅せてくれる。
彫刻を見て、人間ってちょっといい、とおもうのはおかしいだろうか。いや、そうじゃないとおかしいのだ。
しばらく、間近には人と会ってはない。それでも
ときに、遠くの声のほうがずっと近くに聞こえることがある。
コーヒーをいれながらおもう。
お知らせ
「大坊珈琲店」の珈琲豆が入荷いたしました。
コロンビア、タンザニア、グアテマラ、エチオピアのブレンド100g入りです。
定期的に今後も入荷の予定です。
また、大坊珈琲店監修のコーヒーポットとネルフィルター、大坊さん書き下ろしの本『コーヒーのつくり方』(東雲書林刊)も取り扱いしております。随時お問い合わせください。
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