東青山


〇 バターケースとバターナイフ

2015. 3. 30  [日用品]
 

山桜のバターケース、真鍮のバターナイフ

 だれが決めたか知らないまんま、あらゆるサイズに縛られて私たちは生きてゆくしかないのだろうか。何も疑いもせず、それが今の、そしてこれからの「生活のサイズ」になるのだと鵜呑みにする。そのくせ後ろから、サイズも、カタチさえもわからない何かにいつも追いかけられている気がして世知辛い。せめて忌憚のない空を見上げながら、ふと「人間は何角形だろう」だなんて、むかしの広告のコピーを思い出しているうちに、
「測らなきゃね、サイズ」と、妻はあっけらかんと言うのだった。「でも家にメジャーなんてあったっけ」
「どうだったっけ」
 はかれないもの、いったい何個、頭に思い浮かべることができるだろう。
 風が吹いては散っていく。


 このバターケースは

 市販されているバターの大きさに準じて、サイズの異なる三つのヴァリエーションをご用意した。各々の家族のカタチをふまえてチョイスしていただきたい。
「200グラム半切」は、買ってきたバターを縦切りに半分ほど収めることができる。「200グラム全判」は、切らずにそのまま収めることができる。「450グラム四つ切」は、四分の一の一切れを収めることができる。ひとり暮らし、ふたり暮らし、四人家族、大所帯などなど、バターの使用頻度、冷蔵庫のスペースを鑑みてほしい。ちなみに、切り分けた残りは、風味を逃さないよう、ラップをして冷凍庫のほうに保存していただくことをおすすめする。
 さて、見てのとおり、木製の小箱である。木材のなかでも反りの少ない「山桜」を、無垢のまんま刳り貫いてこしらえた。バターを切ったり、こそいだりし易いよう、底板にのせて、蓋を被せる仕様である。底板と蓋の合わせは職人の緻密な仕事の賜物であり、バターの天敵である酸化をくい止めてくれる。胡桃油を塗りこんで仕上げることで、さらに反りや狂いを抑え、艶も保つ。汗をかきにくく、冷蔵庫の出し入れにともなう温度差にも戸惑うことがない。いわば、バターケースの理想形、だといえよう。
 ぜひ、買って帰ったバターにも、見せ場を作ってあげてはいかがか。バターの快適な居場所である。

 このバターナイフは

 ステンレスでうすーくこしらえた刃が、バターをすぅーっと、じつに見事に切ってくれる。柄は、真鍮を使い、持ちごたえがある分、刃との均衡が絶妙で、手に馴染んで扱いやすい。真鍮は、使いこめば味のある表情を見せてくれ、ステンレスは、いつまでも心地のよい切れ味を保ってくれる。もちろん、トーストに塗るにも、しなり具合いの快いバターナイフである。上述のバターケースの相棒に、よろしければおひとつ。

 商品名  バターケース
 素材   山桜(仕上げ/胡桃油)
 製造   四十沢木材工芸(石川県輪島市)
 デザイン 猿山修
 制作   東屋
 寸法(mm)および価格
 200g 半切   幅142 × 奥行62 × 高52  5,720円
 200g 全判   幅142 × 奥行94 × 高52  6,820円
 450g 四つ切  幅106 × 奥行97 × 高61  7,370円
 ※ 木目、色味に個体差があります。ご了承くださいませ。

 商品名  バターナイフ
 素材   刃/ステンレス、柄/真鍮
 製造   兼松工業(岐阜県関市)
 デザイン 猿山修
 制作   東屋
 寸法   幅175mm × 奥行15mm × 厚6mm
 重量   46g
 価格   5,280円

バターケース200g 半切  
品切れ
バターケース200g 全判  
品切れ
バターケース450g 四つ切 
品切れ
バターナイフ        
品切れ
 

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