味の外の味、ということ
古いことばに「味の外の味」というのがある、とどこかで読んだことがある。盛りつけられた料理の味わいは、その外側にあるふんいきや、うつわの表情、うつくしさをも「味わう」ことではじめて料理を「味わう」ものである、ということらしい。けれども、たんにすてきなうつわをそろえ、ふんいきづくりにいそしむ、ということではないはずだ。わたしたちには「一家団欒」がある。それだけで「味の外の味」はじゅうぶん事足りる。家族で囲む、家族でつまむ、家族ひとりひとりがそのささやかな幸せを噛みしめることを願って、食卓はゆたかな景色を生んでくれる。
この木箸は
たとえば二本で一対の箸のように、誰かがいてくれるから、団欒、つまりはいつも満面、まあるくなれる。
さてこの箸は、輪島の塗りものの芯になる木地を作りつづけてきた「木のスペシャリスト」四十沢(あいざわ)さんに拵えてもらった。木地そのまま、木肌そのまま、いわゆる「スッピン」の木箸だ。そのかたちは四角四面の面持ちよりも、ほんのすこし丸みを持たせてもらったことで、指先と口もとの当たりのここちよさが自慢である。いくつもの工程を繰り返しながら一本ずつ丹念に磨きこまれたなめらかなみかけと、うらはらに、食べものをすべらせずしっかりやさしくつかまえてくれる、正真正銘芯の通った木箸。
四十沢さんが引き出す木の素肌の力、いちど手に取って、味わってみてください。
商品名 木箸
素材 写真左から欅(けやき)、黒檀(こくたん)、
鉄刀木(たがやさん)
製造 四十沢木材工芸(石川県輪島市)
制作 東屋
寸法 長235mm × 幅7mm
価格 黒檀 2,970円
※ 欅、鉄刀木は廃番のため現在、取扱しておりません。
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