
どうしようもないわたしが歩いている
「来年からは新しい人間になり、新しい生活を送ろう」だって納得のいく句を次々詠んでみたいんだもの。あるとき種田山頭火は大好きな酒を控えてみようと思いたつ。でもだめだった。思うに、一杯やりながらそう書いたのかもしれない。日記『行乞記』である。日付は12月31日。その直後を読めば、こうもある。「ともあれつつしむことだ。ま、三合ぐらいは許されるかしらね」みたいな。そもそもつつしむってことは断つわけでもなかった。だから、1月1日、やっぱり飲んでいる。なんだかおかしい。31日の日付のなかに、好きな句がある。「雨の二階の女の一人は口笛をふく」 なんかいい。このなんかがずるい。
だれだって年のくれにでもなれば、来年からはこうしよう、こうしたい、なんて口には出さないまでもどこか前向きなことを一つや二つ思ったりするものだ。去年のくれ、わたしだってそうだった。
「おだやかに沈みゆく太陽を見送りながら、私は自然に合掌した、私の一生は終つたのだ、さうだ来年からは新らしい人間として新らしい生活を初めるのである。」(種田山頭火『行乞記』より)
「来年から」「来年になったら」とは、この四月に聴くにはどこかかなしい。来年からでいいわけがない。願った今年はちゃんとある。
この盆は
山茶盆。来客の折、茶や御菓子をもてなすときとか、ひとりふたり晩酌やコーヒーなどを愉しむときとか。住まいのなかでときを選ばず重宝する小ぶりな盆です。挽物(木材を旋盤もしくは轆轤に固定して回転させながらカンナで削っていく職人技のこと)で無垢の一枚板を削り出した肌理の美しさを、まずはご堪能ください。欅、栃、杉、松の四種類をご用意しました。どれも板目の美しさと耐久性にすぐれた素材ですので、お好みでお選びください。表面はあえて塗装はせずに無垢のまま。シミなどが残りやすくはなりますが、使っては拭いての繰り返しで、渋みをまして目にも愉しく手になじみます。
商品名 山茶盆
素材 欅、栃、杉、松
製造 但田木地工房(富山県庄川町)
制作 東屋
寸法 径240 × 高18mm
価格 各8,910円
※ 3番目の写真上から、4番目の写真右から、欅、栃、杉、松
となっております。
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