東青山


〇 米を研ぐ、炊く、蒸らす 2_2

2011. 11. 9  [虎の巻]
 

石田紀佳企画の米を炊く虎の巻、立花英久バーナーブロス スペース

○まずは保管のこと

  ヌカの酸化をさけるため精米したてを炊飯するのが理想だが、冷暗所で木製容器に入れると鮮度が保てる。
  (木製の米櫃は静電気やホコリがつきにくく、調湿効果がある。樹種はヤニの出ない桐か杉。米を直でも、袋ごと入れても
  いい。)

○研ぐ、吸水

1 米の量を量る。一合枡にいれたら、揺らしたり表面を押し付けたりせずに指か箸などですーっとすべらせる。
2 木桶に米をいれて水を加え指先で手早くかきまぜ、素早く水を切る。
  (この水に長くつけると糠臭さを吸ってしまう。捨てるのでもったいないようだが、米が最初に吸う水なのでできるだけお
  いしい水にする。)
3 水を軽く切った状態で研ぐ。手の平で米が割れないように軽い力で押して、指先も使って全体をまわしまぜ、水ですすぐ。
  最低2回ほど研いだあとは、水ですすぎ洗いをして、白濁とぬめりをとる。
  (木桶はあたりがやわらかなので、金属ボウルと違って米が割れず、適度な力を入れやすい。また木肌との摩擦で効率的に
  研げる。)
4 米をザルに上げて、外気温度に応じて夏は30分から冬は1時間ほどおく。ザルに上げた米の中央をくぼませるなど、なるべ
  く均一に外気に触れるようにする。透明だった乾物の米が、水を吸って白くなる。これが「洗い米」。さらさらしているが
  吸水している。
  (精米度が低くなるにつれて長くおく。あるいはザル上げせずに水に浸す。)
  (米を研いだあとに木しゃもじをその研ぎ桶などに浸しておくと、ごはんをよそうときにあまり飯粒がつかない。)

○炊く

1 厚手の土鍋(以下飯炊き釜)に「洗い米」をいれる。白米なら乾いた米と同体積の水を加える。
  (米の新旧、保存状態によって吸水に差があるので、同体積から1.2倍の水で試して、好みの食感をみつける。)
2 お湯を沸かす火力(中〜強火)にかけ、点火から25分くらいで火を止める。
  (点火後10分くらいで湯気が蓋の穴から出始める=沸騰。)
  (湯気がだんたんと激しく出てきて、炊けた匂いになったら火を落とす。おこげをつくる場合は微かにはぜる音がして、香
  ばしい匂いがたちはじめたら止める。)
  (中蓋のあるお釜では、それほど激しく蒸気が吹き出すことも、吹きこぼれることもない。湯気の出方は釜によって違うの
  で、ぐつぐつという音も聞いて沸騰時を知る。)

○蒸らす

1 火を落としてそのまま15〜30分くらい蒸らす。
  (蒸らしの長さによってご飯のしっとり具合がかわる。)
2 蓋をあけ湿らせたしゃもじですばやく切りまぜる。
  (ご飯の表面に穴があいて、米粒が立っていたら、米が蒸気の勢いで十分に蒸されておいしく炊けた証拠。)
  (米のひとつぶ一粒に空気がふれるようにして、余分な水分をとばす。)
3 濡れ布巾で拭いたおひつにふんわり移し、乾いた布巾をかける。
  (おひつがないときはしゃもじでまぜた後、お釜に布巾をかけて水分が米にもどらないようする。布巾一枚でごはんのおい
  しさが変わる。おひつは水分と熱をとりながら、適度な保温力を持つのでよりおいしく保存できる。)

○残りごはんのこと

イ 釜底のおこげはある程度冷めてからとるときれいにはがれる。
ロ ごはんが冷めたら布巾をとって、中央に梅干をのせておひつの蓋をしておけば、翌日まで温めなおさなくても風味がよく冷
  やごはんのおいしさを味わえる。
ハ 底についた飯に水を足して炊いてお粥にすると、釜もきれいに洗えて飯粒もすべて食べられる。
※ お釜の大小、厚み、素材、各家庭のコンロや風通し、気候などの環境によって熱の伝わり方に違いがあります。沸騰から水
  が米粒に吸収されて炊きあがるまでの時間と火力を上記を参考に調整工夫し、飯炊きを五感でお楽しみください。

参考文献
  こつの化学 杉田浩一著 柴田書店 / おいしさをつくる熱の科学 佐藤秀美著 柴田書店 / 絶品土鍋ごはんの炊き方
  小西雅子著 生活情報センター /協力 柴本耕志(耕房窯)

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