東青山


〇 靴べら

2012. 2. 18  [日用品]
 

竹の靴べら

 瓜田不納履、
 李下不正冠。


 やっぱり僕なんか、一重ではなくて、二重のほうが、好みだなあ。と、これ、なにもひとの顔のことを指して言っているのではない。節目節目の、清く正しく過ぎさりしほど、ことさらまっすぐ伸びて潔いはずである。さて、これは竹のおはなし。なかでも真竹である。真竹は、節が二重なのである。よーく見ると、ひと節にふたつの段があるのがわかる。その分、節と節との間がながーく育って、繊維が細かく、しなって折れない、カッコウの材となる。たとえば、この靴べら。長さは760ミリ。そのくせ節は頭とおなかだけ。すっきりと見栄えがよい。瓜田で履を納れず、ではないけれど、かがまなくても軽々使えるよう、その寸法取りの、まあ絶妙なことよ。履き易く、足腰に合わせてくれるしなやかさにも脱帽。李下に冠を正さず、背筋はぴーんと伸ばしてお出かけ、といきたいものである。


 この靴べらは

 肌理が細かく、艶っぽい。使い込めばさらに落ち着き払った飴色に変貌する。無垢のまんま、表面を晒しただけの真竹でこしらえたこの靴べら、玄関先で、ながーいお付き合いを、ぜひひとつ。(お断り。ところどころに小さなキズやシミが見られますが、これらは竹林で風雨に晒されながら、竹どうしがぶつかったりこすれたりして、それでもすくすく育った証しです。自然が生んだ「景色」として愉しんでいただければ幸いです。)

 商品名 靴べら
 素材  真竹
 製造  竹清堂(東京都杉並区)
 制作  東屋
 寸法  760mm
 ※ 販売終了、仕様が新しくなりました。お尋ねください。

 

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